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(8) 再生債務者の財産の確保

(ト)否認権とは

  • 民事再生手続における否認権とはどのような制度ですか

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  • 否認権とは
    (1) 否認権とは、再生手続開始前に、再生債務者が不当にその財産を減少させるなど再生債権者を害する行為をし、または再生債権者間の公平を害する行為をした場合に、再生手続開始後にその行為の効力を否定して、再生債務者の財産の回復を図る制度です。
    (2) 再生債権者を害する行為の否認、相当の対価を得てした財産の処分行為の否認、特定の債権者に対する担保の供与等の否認等、否認権の行使要件は破産法におけるそれと、基本的には、全く同じです。
    (3) その他、否認権のための保全処分や、否認の請求等否認権行使の手続、否認権行使の効果、期間等否認権についての定めは、監督委員による否認権行使の点を除き、すべて破産法の場合と基本的に同じです。
    そこで、ここでは、否認権行使の主体についてのみ以下でふれておきます。
  • 否認権行使の主体
    (1) 管理命令が出されて管財人が選任されている場合には、当然、管財人が否認権を行使します(民事再生法135条1項)。
    (2) 管財人が選任されていない場合には、否認権は監督委員が行使することになります。この点、再生手続開始決定があった場合には、裁判所は、利害関係人の申立または職権により、監督委員に対して、特定の行為について否認権を行使する権限を付与することができるとされています(同法56条1項)。
    (3) そして、監督委員は、本来、再生債務者の財産の管理処分権を有するものではありませんが、否認権を行使する権限を付与された場合は、その権限の行使につき必要な範囲内で、再生債務者のために、金銭の収支その他の財産の管理および処分をすることができます。具体的には、監督委員は、否認権の行使によって生じた、目的物の返還請求権を行使することができることになります。