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(3) 民事再生のメリット

(イ) 法人の場合
(a) 民事再生の最大のメリットは、事業を継続しながら、債務の一部免除及び弁済猶予(原則最大10年)が受けられるという点です。
(b) そして、現経営者は原則として、退陣する必要はなく、従来どおり経営を行うことができます。
(c) また、実務上、民事再生の申立と同時に通常行う弁済禁止の保全処分によって銀行取引停止処分(手形不渡り)その他の債務不履行責任を回避することができます。民事再生の申立により、リース契約が当然に解除されることもありません。
(d) さらに、民事再生の申立をしたことの通知を金融機関に行うことにより、この通知がなされた後に、その金融機関の口座に入金された債務者の預金については金融機関による相殺が禁止されるため、通知後の入金分は債務者の資金繰りに利用することができます。
(e) 多額の負債を負っている会社がM&Aを行おうとする場合、民事再生の手続の中でこれを行えば、事後的に否認や詐害行為を主張されるリスクを回避することができます。
(ロ) 個人の場合
(a) 個人が民事再生の申立を行う場合のメリットは法人の場合とほぼ同様です。
(b) 個人の場合に特有のメリットとしては、免責不許可事由がある場合には、自己破産をしても債務が免除されることはありませんし、また、免責されない債務がある場合には自己破産によってもこれが免除されることはありません。他方、民事再生の場合には、免責不許可事由があっても、また、免責されない債務についても、再生計画が可決・認可されれば、その計画に従って免除・弁済猶予されます。
(c) 自宅などの個人資産に担保権が設定されている場合、自己破産をすると、担保権が実行されて担保物件を手放さなくてはならなくなりますが、民事再生の場合は担保権者との合意さえできれば、担保物件を手放さなくても済む場合があります。また、一定の要件を満たせば、住宅ローンについて債務の免除は認められませんが、リスケジューリングを行うことが可能になる場合があります。