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(4) 民事再生のデメリット

(イ) 法人の場合
(a) 民事再生の申立を行うと「倒産」との情報が出回って、信用不安を引き起こし、売上の減少や納品の拒否などの混乱が生じる場合があります。私的整理を利用すれば、このようなリスクを回避することが可能になりますが、私的整理を利用できない事情がある場合には、むしろこのようなリスクがあることを考慮して民事再生による再建の見込みについて検討する必要があるということになります。
(b) 民事再生では原則として担保権の実行を阻止することができず、これを阻止するためには担保権者と弁済協定を締結する必要があります。したがって、この点を考慮して民事再生による再建の見込みについて検討する必要があるといえます。
(c) 再生計画によって債務の免除がなされると、免除額に対して債務免除益課税が発生するため、この点について事前に対策をしておかなければ、せっかく再生計画が認可されたのに、税金を支払えずに再生が頓挫するということになりかねません。この点については、損金と益金との相殺により免除益が生じないようにする方法、債務免除益が発生する時期を繰り延べする方法、税務署との交渉により分割払いを認めてもらうなどの方法を検討することになります。
(d) 代表者が法人の債務につき連帯保証している場合、法人につき再生計画が認可されても、代表者個人の連帯保証債務は何ら影響を受けませんので、代表者個人の債務整理を別途考える必要があります。債権者との間で債務免除等の合意が得られれば別ですが、それが無理な場合、代表者個人としては自己破産せざるを得ない場合が多いでしょう。ただし、この点は会社の経営が破綻した場合一般の問題であるため、民事再生特有のデメリットというわけではありません。尚、自己破産は取締役の欠格事由ではないため(会社法第331条第1項)、法人の取締役を続けることは可能です。
(ロ) 個人の場合
個人の場合にも法人の場合とほぼ同様のことがいえます。